教員の派遣会社と派遣教員について
元私立学校コンサル人事ということで書いていますが退職したのは1年程前。
有料職業紹介の免許しかなかった会社でしたが労働者派遣の免許も取ることとなり市場調査や他社交流等もしました。ただ情報はもともと顧客である学校から提供されていたので他社の動向や教員派遣についての情報を仕入れるのはそう難しくなかったです。
はっきり言えば私立学校の本音として派遣での教員の受け入れは苦肉の策でしかなかったと思います。学校としては通常の採用であれば非常勤講師の方は1コマ10,000円~12,000円/月というところを派遣会社に依頼をすると15,000円から20,000円/月程度になります。
通常の非常勤講師で毎日授業を持つ先生は18コマ程度ですので、
(15,000円ー12,000円)× 18コマ × 12か月 = 648,000円
最低でも年間60万円ほどが余計にかかっているのです。
これは相場の中でも給与の高い学校の条件と派遣料金の低い派遣会社との比較です。
あくまで最低ですので基本的にはこれ以上となり大体年間100万円程度だと思ってください。
学校の負担額が年間100万円程度というのはわかりましたが、次に派遣会社を通しての契約となる講師がいくらもらえるかを計算します。
教員派遣会社のマージン比を見ると概ね30~40%というところです。つまり派遣料金の内の60~70%が教員の給与となります。
15,000円 × 60% × 18コマ = 162,000円
が月給となります。
毎日、学校に行って月給16万円、かたや派遣会社を通さずに直接雇用で採用されると18万円~22万円(プラス賞与ってこともあります)。
派遣会社も直接雇用の選考も自筆の履歴書書いて面接して毎月6万円給料が違う、しかも学校は通常の非常勤講師より年間60万円多く払っているので多く払っている分の量と質を期待されます。
でも期待されるだけの優秀な教員なら派遣会社に登録しなくても学校での仕事は見つかりますよね。。。
つまり私立学校の派遣教員は学校は高いお金を払って質の低い教員に生徒の授業を担当させて担当している教員も生活がギリギリという負のスパイラルなのです。
しかも生徒や保護者に派遣講師であることを言うなと隠し事を強制されるわけです。
これって派遣会社しか得しないシステムですよね。
しかも、優秀な教員が仕事が見つかるのと同様に教員の評判の良い学校であれば求人の応募は多く集まるので派遣会社を利用するということはありません。
つまり教員の評判の良い学校ではない私立学校の派遣教員は学校は高いお金を払って質の低い教員に生徒の授業を担当させて担当している教員も生活がギリギリという負のスパイラルということです。
もはや社会や世間は得してないのは明白ですね。
評判の悪い学校で安い給料で「経験積めるから」とかで優秀ではない求職者を募って派遣会社は成り立っています。
教採浪人するにしても、教員の経験積めるにしてもこの環境で得られるものって非常に効率悪いと思います。
これは派遣会社で働かない方がいいということではなく、自分のためを考えたらしっかり私立の教員採用のノウハウを知って行動したほうがいいですよね。という意味です。
効率が悪くても派遣で働きたいって方に派遣で働いていただいて、効率よく教採の勉強をするなり、普通の教員の経験を積むのであればしっかり学校を見極めて直接雇用で働くほうが賢い選択だと思います。
このブログが教員志望者、私立学校の方のための情報提供となれば幸いです。
私立学校の採用について質問がありましたらコメントください。できる限り答えたいと思います。