【私学の教員採用裏事情】~私立学校教員への転職・就職志望者必読ブログ~

元学校人事コンサル社員が私立学校の教員採用の内部事情をお知らせします。教員志望の大学生、公立から私立への転職を検討している方、私立学校にお勤めの方、私立学校に子供を通わせている保護者の方が知っておくべき私立学校の実態。

その学校で本当に大丈夫?

教員採用が終盤になり、私立学校が公募での採用を諦め始めてます。

 

私学教育研究所に掲載依頼もしなくなってきましたし、派遣会社が活発に電話やメールで教員の獲得に動いていてます。

 

私立学校は何も工夫も凝らさず、例年通りのことをやったけど採用できないので後は業者に見つけてもらって一年を凌げればいいですし、派遣会社は時期も時期なので一つも二つも格下の教員を学校に紹介して契約にこぎつけられるという教員と生徒に犠牲を強いる採用構造が始まります。

 

以前にも書きましたが派遣会社を使うメリットは派遣会社にしかありません。

 

学校は年間100万円以上の負担をして、教員は直接採用されている教員の7~8割の給料しかもらえずに働くのです。

 

100万円の負担はいわば保護者の入学金や学費としての負担であり、その分の保護者が期待する必要なところに投資がなされなくなるわけです。派遣会社を使って学校や保護者が得られるのは「時間割が組めた」・「授業に穴が開かなかった」というだけです。そして「本来、使われるべきところに100万円をかけられなくなった」ということです。

 

もし、派遣の教員が素晴らしい教員であれば100万円の価値があるかもしれません。しかしながら現実は公募に落ち続けて自分の力で採用を勝ち取れない余った教員であり、いわばどこの学校にも採用されなかったが背に腹を変えられない状況だからやむを得ず採用するというレベルの教員です。

 

また、採用された教員については直接雇用されている教員と違い、給与のベースは著しく低く、賞与も出ないという契約となります。

 

やはり派遣会社のみが得をする構造なのだとつくづく思います。

 

私立学校に通わせるというのは保護者にとって経済的に大変大きな負担となります。いくら補助金が出るといってもその補助金の財源は保護者の払う税金であり、地域社会の税金なのです。

 

学校の経営にも同様に補助金が入っています。補助金の投入が当たり前と思っているのか学校の経営陣、採用担当者は人材採用に対しての工夫や知恵を絞ることに無頓着です。

 

昔と違って「教員」が人気の職業ではないのにも関わらずいつまで学校優位の買い手市場だと勘違いするのでしょうか。決してお金を使わなければいいということではなく使うお金の価値を見極めて工夫を凝らし、情報収集をしてどれだけ自身の学校に合う人を採用していくか。ということに対して私立学校は積極性に欠けます。

 

また、直接雇用の教員の待遇の7~8割の待遇で働いている教員に対してどういう思いを持っているのか聞いてみたいところです。仕事は同じ、なんなら派遣会社に高いお金を払ってるからといって派遣の教員に過剰な負荷をかけていませんか?

 

派遣会社だけが悪いとは思いません。困ったら派遣に頼めばいいやと考えている私立学校がこの構造を作っています。また、給料安くても教員になれれば何でもいいやと考えている教員も然りです。

 

「学校の思考停止と教員の思考停止をうまく取り持ち地域社会の税金を掠め取っていく教員派遣会社」という構造を知らない世間も悪いのです。

 

世間と保護者に知られなければ問題ないと派遣会社や学校に甘く見られている結果なのだと感じます。

 

全国4割弱の私立学校に派遣会社は取引をしているようです。

 

高校入試も終わり、自身の子供が通うであろう高い学費の私立学校に派遣の教員がいて、自分の子供が派遣の教員に教えられていたら高い学費は派遣会社のために納めているのとほぼ同じです。

 

入学前説明会などの機会に学校に派遣の教員がいるか確認しましょう。

 

いなければどうにか考えて変化して工夫して教員採用をうまくいかせた学校です。

いるとすれば経営陣も教員も思考を停止し、何も変えずに派遣でもいいやと考えている学校です。

 

一事が万事で、保護者にとって自分の子供が悩んでいるときに学校や教員が一緒に考えて変化して工夫して共に悩みを解決しようとしてくれるか、それとも学校も教員も思考停止して何かが起きたら考えればいいやと思っているかがわかると思います。

 

高校の三年間は大学進学の準備、身体的にも精神的にも子供たちが大きく成長する時期です。その三年間を大事にする学校か、思考停止する学校かしっかり確認したほうがいいでしょう。

 

私立学校の採用について質問がありましたらコメントください。できる限り答えたいと思います。