【私学の教員採用裏事情】~私立学校教員への転職・就職志望者必読ブログ~

元学校人事コンサル社員が私立学校の教員採用の内部事情をお知らせします。教員志望の大学生、公立から私立への転職を検討している方、私立学校にお勤めの方、私立学校に子供を通わせている保護者の方が知っておくべき私立学校の実態。

私立の専任教諭になるための間違った就職活動

GWも明けて、私立学校でも平成31年度の専任教諭採用が始まってきました。

 

私立学校の教員の求人情報といえば私学教育研究所を見て教科別に求人一覧を見るというのが一般的だと思います。

また、人材会社に登録して私立学校の専任教諭の求人を紹介してもらうというのもありますが、今日はその人材会社からの紹介について書いていきたいと思います。

 

 

結論から言うと人材会社からの仲介で専任教諭の求人にエントリーするメリットはありません。

 

なぜなら、学校教員の専任教諭の求人は一般企業の転職サイトのように非公開求人として取り扱うことがほとんどないからです。そもそもどちらかというと私立学校という特性上、特定の業者との癒着などを良いこととはみなしませんし、学校運営の核となる専任教諭の選考については非公開での採用は透明性や公平性に欠けるので現実的ではありません。

また、安価で学校名を公表して広範囲に告知ができる求人サイトの採用よりも労働者派遣や有料職業紹介のほうが採用時に多額の費用がかかる(こちらの過去記事を参考)ため同じようなスキルや人柄の場合に、「一方は無料で採用できる志望者」・「一方は採用に費用がかかる志望者」というときにどちらを選ぶかは明白です。

 

学校教員の有料職業紹介の手数料の相場は年収の20%~30%のため年収400万円の採用であれば人材会社を経由した採用だと80万円~120万円の費用が余計にかかるということです。

 

非常勤講師や常勤講師のような期間雇用の講師採用ではなく専任教諭の採用であれば教員志望者は求人広告で十分に集めることが可能なため私立学校側は人材会社を使う必要はありません。

私立学校側はより多くの教員志望者を集めて採用をしたいので人材会社へも依頼をしますが人材会社経由の教員志望者も求人サイトからの教員志望者も全く同じ選考を行っています。

また、人材会社も数だけを出して採用されれば100万円が売上として入るため求職者に紹介している学校が求職者にとって合うか合わないかや採用の見込みがあるかは見ていないケースがほとんどです。

 

私立学校側も同じ選考方法で進み、最終的な候補者が絞られたときに採用して100万円かかる求職者と無料の求職者を同じハードルで見ることはありません。

 

人材会社を経由して専任教諭案件に応募することほど専任教諭への道が遠ざかることはありません。同じ選考をするのであれば費用面での負担の少ない私学教育研究所などの求人サイトを見て応募するほうが採用の可能性は上がります。

 

私立学校も教員志望者も人材会社の仕組みを知らないことで気付かないうちに損をしているのです。

 

本来、専任教諭になれる可能性のあった教員志望者がその仕組みを知らないことで本来の夢や目標を絶たれているということです。

 

優秀な教員がその仕組みの中で採用されないとなると本来採用されるレベルであった教員よりも低いレベルの教員が学校に採用されることになり、回り回って生徒・保護者への低い教育環境の提供となります。

 

この現実はこれから私立学校での専任教諭を目指している方は必ず知っておくべき業界の仕組みであり情報です。