【私学の教員採用裏事情】~私立学校教員への転職・就職志望者必読ブログ~

元学校人事コンサル社員が私立学校の教員採用の内部事情をお知らせします。教員志望の大学生、公立から私立への転職を検討している方、私立学校にお勤めの方、私立学校に子供を通わせている保護者の方が知っておくべき私立学校の実態。

派遣の教員の内定辞退について

※今回は業界的にかなりデリケートな問題です。すべての判断は自己責任の下、ご判断下さい。

 

3月も後半ということで平成29年度も終わりに近づき私立の学校はドキドキの2週間となります。

 

「すみません。公立の臨時任用が決まったので内定辞退します。」

 

3月末のギリギリの時期(なんなら4月に入ってからも)に各自治体の教育委員会が登録している教員に電話をするのです。そして現在の内定と天秤にかけて教員が辞退をする。ということです。

 

基本的には私立学校側も選考に時間をかけてその中からたった一人、学校に会う人を採用して翌年度の時間割を決めてあなたを迎える準備をしてるのでこのタイミングで内定辞退・退職って本当に大ダメージなのでできれば避けてほしいと思います。

 

しかし、派遣会社経由の非常勤講師・常勤講師についてはちょっと状況が違います。

 

基本的に、私立学校から派遣会社に依頼する求人案件は他の派遣会社にも依頼をしています。また、直接雇用するわけではないので選考段階から学校側は学校に合う教員志望者を本気で採用する気は無く、ただ時間割の穴埋め、公務分掌の穴埋めをしたいということで派遣会社に求人案件を流します。

 

穴埋めの要員に対して1年後のキャリアアップや教育を学校が時間や労力をかけてフォローをするでしょうか。

 

もちろん実際に学校に入ってから評価が高く、「来年度もよろしく」というケースは多くありますがあくまでも「派遣ならいいよ」程度の評価にしかならないことがほとんどです。

 

つまり、入り口が「派遣」であれば出口のほとんどは「派遣期間終了」しかないのです。逆に「直接雇用」が入口であれば出口は「期間雇用の契約満了」と「翌年度更新」・「内部登用」の出口があります。

 

「穴埋め」で採用された人と学校の選考で多くの人の中から「この志望者が一番、学校にあう」で採用された人では学校からの期待も投資も天と地の差があります。

 

経済的な部分も判断の尺度の一つだと思います。

 

公立の臨時任用であれば仕事はハードですが生活できるだけの給与は保証されます。

 

派遣の非常勤であればコマ数が多ければ学校に拘束されながら給与は低い、コマ数が少なければそもそも生活ができない。(直接雇用であればコマ数が多ければ生活できるレベルになります)

 

という比較になります。

 

公立で臨時任用の教員として働くことと穴埋め要員として派遣講師として働くことを天秤にかけて1年間を有意義に過ごせるのがどちらになるかしっかり考えましょう。

 

派遣講師の内定を辞退して起きるデメリットはその派遣会社から信用されなくなる(=求人を紹介されなくなる可能性がある)、内定が決まっていた学校では就業できなくなるということくらいだと思います。

 

教員の派遣会社は10社くらいあるので1社から紹介されなくとも全く問題ありません。

私立学校も全国に1,400校以上あります。

 

悩みながら派遣教員を一年やるなら公立の臨任をの話を受けましょう。

 

最悪なケースは

 

年度の途中で再度、臨時任用の打診があって退職することです。

 

これは派遣でも直接雇用でも生徒・保護者・学校に大きな負担となります。

 

また、履歴書に年度途中退職の経歴があれば理由を聞かれますし、過去の記事にも書きましたが学校同士で経歴のヒアリングをされることもあります。

 

派遣での採用なら代わりはいくらでもいると割り切って自身で判断の上、行動しましょう。電話一本・メール一本で内定辞退はできます。

 

私立学校の採用について質問がありましたらコメントください。できる限り答えたいと思います。